正しい歯磨きの方法とデンタルフロス・歯間ブラシの使い方

毎日磨いているのにむし歯になる——その原因は「磨き方」と「磨き残し」かもしれません。正しいブラッシングと、フロス・歯間ブラシの併用で、予防効果は大きく変わります。基本を見直してみましょう。
なぜ「磨いているのに」むし歯になるのか
歯みがきの目的は、むし歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を落とすことです。ところが、磨いているつもりでも、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目、奥歯の溝などには磨き残しが生まれやすいもの。歯ブラシだけでは、歯の表面の汚れは落とせても、すき間の汚れは十分に取り切れません。
つまり、「時間をかけて磨くこと」より「汚れが残りやすい場所を意識して落とすこと」が大切なのです。
正しい歯磨きの基本
- 歯ブラシは軽い力で。力を入れすぎると、歯ぐきやエナメル質を傷め、知覚過敏や歯ぐきの後退の原因になります。
- 毛先を歯と歯ぐきの境目に当て、小刻みに動かすのが基本です。
- 1本ずつ磨くイメージで、磨く順番を決めて磨き残しを防ぎます。
- 就寝前のブラッシングはとくに丁寧に。寝ている間は唾液が減り、細菌が活動しやすくなります。
- フッ素入り歯みがき剤を使い、すすぎすぎないことでフッ素を歯に残します。
フロス・歯間ブラシの使い方
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは落としきれません。ここで活躍するのが、デンタルフロスと歯間ブラシです。
デンタルフロスは、歯の側面に沿わせるようにして上下に動かし、すき間の汚れをかき出します。歯間ブラシは、すき間のサイズに合ったものをやさしく通します。サイズが合わないと歯ぐきを傷めるので、適切な太さを選びましょう。1日1回、就寝前の習慣にするのがおすすめです。
磨き残しの多い場所
奥歯の噛む面の溝、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目は、汚れが残りやすい三大ポイント。ここを意識するだけで予防効果が上がります。
歯ブラシの選び方・交換時期
毛のかたさは「ふつう」が基本です。歯ぐきが弱い方や出血しやすい方は「やわらかめ」を選ぶとよいでしょう。ヘッドは小さめのほうが奥まで届きやすくなります。
毛先が開いてくると清掃効果が大きく落ちるため、1か月に1回程度を目安に交換しましょう。毛先が広がった歯ブラシでいくら磨いても、汚れはきちんと落ちません。
補助グッズの活用
歯ブラシ・フロス・歯間ブラシに加えて、目的に応じた補助グッズも役立ちます。ワンタフトブラシは、奥歯の奥や歯並びが重なった部分、矯正装置の周りなど、普通の歯ブラシが届きにくい場所の清掃に便利です。洗口液(デンタルリンス)は、ブラッシングの補助として使うと口内を清潔に保ちやすくなります。
電動歯ブラシは、正しく当てれば効率よく汚れを落とせますが、強く押し当てない・動かしすぎないことが大切です。どれも「歯ブラシの代わり」ではなく「プラスする」ものとして取り入れましょう。
歯みがきのタイミングと回数
歯みがきは「回数」だけでなく「質」と「タイミング」も大切です。理想は毎食後ですが、難しい場合でも、就寝前の1回はとくに丁寧に行いましょう。睡眠中は唾液が減り、細菌が増えやすいため、寝る前にしっかり汚れを落としておくことが予防につながります。
1日に何度も強くみがけばよいわけではありません。力を入れすぎると歯や歯ぐきを傷めることがあります。やわらかめの歯ブラシで、軽い力で1本ずつ丁寧に動かすことを意識しましょう。回数より、磨き残しを作らないことが重要です。
よくある質問
フロスと歯間ブラシ、どちらを使えばいいですか?
歯みがきは食後すぐがいいですか?
本記事は歯科医師の監修のもと、一般の方向けにわかりやすさを優先して作成しています。



正しい磨き方は、文章だけではなかなか身につきません。定期検診のときに、ご自身の磨き残しが多い場所を染め出しで確認し、その人に合った磨き方を指導してもらうのが近道です。フロスを1日1回足すだけでも、予防効果は大きく変わりますよ。